成都、麗江旅行7 除夕、玉龍雪山、印象麗江

今日は朝9時に昨日のおばちゃんと待ち合わせ。御飯は頼んでないし、いつ帰れるか分からないので、8時半ごろにケンタッキーに行って朝ごはんを食べておいた。まさかここでケンタッキーを食べることになるとは。

さて、おばちゃんと再会し、ワゴンへ。後ろの席に乗ると、前に乗りなよと促される。でも、寝たいんでと後ろに座っていると、なんとおばちゃんは運転席に座って、出発してしまった。
「あれ?乗合じゃないの?他にはいないの?」と聞くと、いないとのこと。なんと、ワゴン1人貸切のような感じになった。
途中で酸素の店に寄って、山の上は高いからここで買っていきなよと言われたので、おばちゃんがそのまま逃げないか若干心配だったが、急いで一番安い60元の酸素を購入。
自力で登った富士山山頂でも何とかなったので、4500メートルとはいえ、大丈夫だろうと思ったため、酸素はケチることにした。

雪山地域入場前に、おばちゃんから「チューセージェン」を持ってないかと聞かれる。何のことかさっぱりわからん。このおばちゃん、方言が濃厚に入っており、「去(チュィ)行くの意味」を「去(キュゥ)」と発音する。全く発音が違うのだ。「チューセージェン」も字で書いてもらって、結局標準語で「シュェシォンジォン」つまり学生証のことだとわかった。学生証があると入場料が値引かれるので聞かれたのだ。
ところで、割り引かれた分は、一部だけ戻ってくるのが常だと思っていたが、おばちゃんは素直に割り引かれた全額(50元)を戻してくれた。この時点でおばちゃんへの親近感が上がった。

先についたのは印象麗江のステージ前。11時から開始だが10時に着いたし、おばちゃんは降りてどこか行ったので、そのままワゴンの中で少し寝ることにした。

印象麗江は、張芸謀監督が手掛ける各地の自然を舞台にした演劇。今まで杭州の印象西湖、桂林の印象劉三姐を見ているが、それなりに良かった。
大晦日や正月も含め毎日数百人の踊り子が出演するのは本当に大がかりな劇だと思うのだが、今回の麗江は何故かかなり感動してしまった。感動を覚えたのは、おそらくこういう理由だったのではないかと思う。
・この舞台を通して、現地の少数民族は自分たちの文化を中国各地、世界各地から来る観光客にアピールできる。
・それを全国規模で有名な演劇という作品に完成させたのは好ましいことだと思うし、この劇に参加することは、(商業化という面を差し引いても)きっと少数民族の踊り子たちにとっても誇らしいことだと思うのではないか。

印象劉三姐も現地のチュワン族の伝説的な歌い手、劉三姐を元にした劇なのだが、印象麗江は、この現地の民族の風習をそのまま取り込んだものとなっていた。
馬を乗りこなし、馬の上で踊る男のダンサーには素直にすごいと思ったし、(おそらく)葬式の時に使う太鼓の演奏を観客席のすぐ近くでしてくれるというのも面白く思った。
しかし、ナシ族の伝統的な風習、手編みの大きなカゴを背中に背負った多くの女の子たちが、ただ坂道を歩くという場面で、民族の文化を守るという意図を最も強く感じた。
この劇に出ている人たちは、急激に現代化が進む中国の中で、将来どう生きたいと思っているのだろうか。やはり都会の生活に憧れるのだろうか、一方でやはり自分たちの民族の文化には誇りを持っているのだろうか。そのあたりの両立をどう図るかという観点でも、この印象シリーズのステージは示唆に富む。
ステージ(雪山を借景している)

籠を背負う女の子たち

馬の上で踊る男

綺麗な民族衣装

観客席近くでの太鼓の演奏

今までの印象シリーズの中で一番面白かった。これからも印象シリーズは見て行きたい。


さて、12時過ぎに雪山へ出発。山道は規定の大型バスでのみ登れるそうなので、ワゴンは駐車場で止まり、おばちゃんに買ってきてもらった切符を持ち、いったんおばちゃんと別れる。

バスは3356メートルのところまでのぼり、そこからはロープウェー。
昨日の乗合バスで喋ったカップルが、今の時期混んでるからロープウェーは3時間ほど待つかもしれないよと言っており、おばちゃんは、今人は多くないよと言っていたので、間をとって、最悪2時間待ちくらいかなと思っていたが、実際には3分待ちだったので、おばちゃんの勝利。さすが現地人。

ロープウェーは10分ほどで1150メートルほどを一気に登る。中では深圳から来たと言う親子と少し話した。
そして、いよいよ標高4506メートル地点に到着。人生最高峰だ。天気はまぁまぁだったが、山頂には年中雲がかかっているらしく、山頂を拝むことはできなかった。ロッジの近くはそれほどでもなかったが、少し離れたところでは、雪を巻き上げた風が吹いている。あんなところにこんな装備で行ったら確実に死ぬだろうなと思った。

写真を撮りまくっている間に、体を回転させるとクラっと来た。やはり高山病の症状が出たのだ。2回ほどそんな感じになったので、酸素を開封。結局帰りのロープウェーの中でも若干違和感を感じる状態になることもあり、安物だが買っておいて良かった。さすが4500メートル。

一人だと写真を撮った後にやることもないので、早々に引き返した。おばちゃんと再会したのは午後1時頃。この時点で好感度もかなり上がっていたので、山頂で買ったクルミ入りのお菓子をおばちゃん用にも少し残して帰った。
おばちゃんからは「こんな早く戻ってくるとは思わなかったよ」と言われたが、クルミのお菓子はいらなかったみたいだ。

古鎮に戻ってきたのは2時過ぎ。それからまた少し散歩をしたが、奥の方(南東)に行くと串焼き屋台のような店が集まっているエリアもあり、水槽に魚、鳥かごに鶏等の鳥がいる。亀やなんやも置いている店もあったが、これみんな食べると言うことだろうか。魚はいいとして鳥はどこで殺すの・・・?

ナシ族の独特な象形文字を壁に書いている場所なんかもあった。

麗江は観光地化、商業化されていると言っている人も多いが、奥まで歩けば人々はそこで日常生活をしているし、土産物屋密集エリアでも、伝統建築及び都市を残し、伝統品(手編みの肩掛け、豚肉、キノコ、小粒コーヒー等)を作って売っているという点では、自分としてはやはりいいと感じる。

なお、街の中にあった説明書きによると、この麗江という町は3つの川を有効利用しており、意図的に一つの川をあふれさせると他の川に水が流れていき、街の中の廃棄物などを浄化してくれるような仕組みになっているとのこと。
街の水は目で見てもかなり綺麗であり、今でも洗濯などに利用されているようだ。

また、建築物は木造で、しかも伝統的には釘を利用しないらしい。今再築されている建物があったので、写真を撮ってみたが、見た感じ今でもその作り方で作っているようだ。こういうところを保存する限り、この町の面白さと言うのは失われないと思う。