〜黄龍吐翠、宝石流霞〜

昨日の夜は12時過ぎに大学の中を歩いてみた。やはり店もやってないし、特に何も面白くない。結局4時くらいまで起きていたが、朝9時頃に掃除のおばさんが来るので、仕方なく8時には起床。午前中は授業の復習をしていた。しかし何度も見ている単語であっても発音がなかなか覚えられないため、こちらに来てからコロケーションで覚えるように工夫してみている。
昼ごはんは食堂で食べたが、たまたま最近話した日本人がいたので、話をしてみた。彼は去年の秋からこちらに来ており既に一年になるが、あと半年ほどいるつもりらしい。彼も初めて来たときは外に出るのが苦手だったらしい。自分も頑張らないと。
午後はまた近場に出かけた。まず行ったのが、黄龍吐翠という岩と水がきれいな場所。しかし、ここはそれほど広くない割にかなり観光地化しており、中国人ツアー客とも最もよく会ったし、土産物屋も多すぎる。「黄龍吐翠」自体はそれほどたいしたものではなかったが、団体観光客が上ってこない場所にあった岩は、相当大きく、しかも複雑に浸食されていて、美しかった。

それから、宝石山という日光が当たると岩の成分が反射して宝石のように見えるという山に登り、保俶塔という元々北宋時代に建てられたという塔や、山の上からの西湖の景色を眺めてみた。山と言っても200メートル程度だが、いつも見ている西湖や蘇堤などを見渡すことができ、いつもとは少し違う、素晴らしい景色だった。ここの山に霞がかかる様子も西湖新十景になっており、宝石流霞と言う。朝や夕暮れ時に霞がかかるらしいが、山に登った時に夕立が来たので、それどころではなく、何年振りかに雨宿りをした。

さて、その後、昼にご飯を食べた日本人に勧められた杭州大厦という百貨店に行ってみた。普通に洋服や電化製品が売っている。歩きながらちらっと見たワイシャツなんかも5000円ほどしていたので、日本とほとんど変わらない。8年前に北京に行った時からそうだったが、こういう金持ちが来る店は日本と物価が変わらないもんだ。道端を掃除しているきっと農民工、昨日行った運河の橋の下に工事現場の労働者が集住していたが、それもきっと農民工。そういう人たちも大勢いる一方で、それだけ大勢の金持ちもいるということだろう。ちなみに中国では都市戸籍を持っている人はほとんどそういう仕事はしていないとのこと。
ユニクロでもあれば何か買おうかと思っていたが、特に買いたいものもなかったので、地下の飲食店に行ってみると、日本料理屋は外まで人が並んでいた。少し並べば入れそうだったが、並んでまで食べたいとも思わなかったので、帰ることにした。MOCHIクリームの店もあり一個7元、それなりの値段がする。帰りはタクシーで帰ったが、タクシーで5キロほど乗って14元。一人で食べた韓国料理の夕飯は石焼ビビンバと春巻で35元、青島ビールが一瓶10元。やはりMOCHIクリームは高い。こちらの値段感覚も少しずつついてきた。現地で暮らしている分には、いちいち日本円に換算しても面倒なだけなので、現地通貨感覚で高いか安いか感じておかないといけない。食事は大体一人20元〜40元、ペットボトル飲料は、ものにもよるが2元〜4元。ボディーソープやシャンプーなどは20元〜40元ほど。バスは2元、少し乗るタクシーは15元程度。語学の教科書類は20元〜40元。つまりそこそこの生活をしていれば、1日100元程度という感じだ。去年留学に行った先輩は、3000円あれば、高級料理とお酒を好きなだけ楽しめると言っていたが、3000円とは230元ほど。高級料理と酒を飲めばもっと行きそうな気もするが、そんなもんだろうか。

さて、この土日は結局紹興には行かず、近場の観光と勉強をしていた。24ヶ月の中国生活のうち、せっかく1ヵ月は杭州にいるのだから、近場の都市の観光はしておきたいという気持ちになるが、観光が目的ではないのだから、語学の勉強もきちんとしなければならない。今日もタクシーの運ちゃんと話してみたし、最近言おうと思って言えなかった言葉をノートに書いておき、次にその場面に遭遇したら積極的に使ってみようと思っている(例えば昨日の例では、「行先を変更したい。やはりここに行きたいのだが大丈夫か。」など)。勉強のために時間がなくなり、観光できなくなるのであれば、それはそれで諦めようと思った。