北京旅行(弟編)1日目

今日は家族北京旅行アテンド1日目。
妻の弟とその友人が2泊3日で北京にくるので、その前2日を案内することになっていた。

ホテルで落ち合う前に北京交通カードを人数分作り、明日行く予定の長城への列車の乗り場と時間を確認しておいた。
車の貸切も検討したが、公共交通機関を使う方が圧倒的に安いので、若者だけだし、そちらを選択したのだが、この選択が後になって不幸な結果を招くことになる。
ホテルは護国寺というところにある。外人は少なく、中国人が利用するような安い定食屋や各地の軽食屋が立ち並ぶなかなか風情のある街並みだった。

ホテルで会ってから16時に出発し、1日目に行ったのは、南锣鼓巷、王府井、雑技団、三里屯。
食事は三里屯の北京ダックをと思っていたが、時間が遅くなりもうアヒルが残ってないと言われたので、仕方なく三里屯にある湖南料理屋に行き、辛い食事の代表としては本当は四川料理を食べさせてあげたかったのだが、「麻辣」ではなくただ「辣」な、要は山椒が入っていない料理を味わってもらった。

ここからの移動がいろんな点で裏目に出る。
初日だし、明日早い出発になるので、今日は三里屯ではなくホテルの近くの後海か什刹海でビールを飲もうかと思っていたのだが、夜10時の段階で三里屯でタクシーが拾えない。
少し歩きながら探そうかと思い、タクシーが入ってきている北向きに歩き始めたのだが、全くタクシーが捕まらない。(よくあることだが、タクシーがいるのはいるのだが乗車拒否されるのだ)
しょうがないので、地下鉄の利用も考えて農業展覧会駅という地下鉄駅の方に歩いていくが、依然としてタクシーは捕まらない。白タクも全く見当たらない。
駅についてみたところ、なぜか入口が閉まっている。まだ11時前だったし、あと20分は空けているという表示があるにも関わらずだ。

ここにきてかなり焦り始める。土地勘のない場所で、公共交通が動いていないのにタクシー、白タクすらいない。手詰まりになりそうだった。
バスがまだ動いていたので、急いでバス停へ行き、自分の土地勘のある亮馬橋行きのバスを見つけたので、とりあえずバスに乗る。
既にこの時点で1時間以上歩いていた。

更にバス停案内には亮馬橋と書いているのに、何故かバスは亮馬橋を通り過ぎて三元橋でようやく止まった。
三元橋には大きなホテルがあるので、そこで交渉して車を呼んでもらうことも検討したが、この近くには日本人がよく飲みに来る店があるのを知っていたので、そちらに行ってみることを優先した。
その店の前で15分ほど待っていたが、タクシーも白タクも来ない。いよいよ焦り始める。

このあたりで働いている人にどこで車が拾いやすいか電話をかけてみるが、つながらないので、最後の希望を託して、最も頻繁に行っている亮馬橋まで歩いて行った。ここまで1時間半以上歩き続けている。
果たして、亮馬橋で1台の白タクを見つける。

まず行先を伝えて、運転手は知らないからといって走り始めようとしたが、もうここまで来てこの白タクを逃すわけにはいかない。
携帯でナビができる。自分の言うとおり走ってくれればいいと言い、行先については運転手もそれでいいと思ったようだ。

値段交渉だが、運転手は90元と言ってきた。既に深夜に入っていることを考えると、この距離の相場は40元程度。なので白タクなら60元程度が相場だろうが、どうしてもこの車を逃したくなかったので、こちらの主張は70元とした。
相手を怒らせないよう少し言い合いをしてから結果80元。3人だし、これ以上歩くことを思えば相場からは外れるが費用対効果は十分だ。

そのあと、運転手の話によると、大雨と落雷である地下鉄が止まっていて、今街ではタクシーが全然拾えないらしい。
確かに帰りにまた三里屯や什刹海を通過したのだが、道端には人があふれかえっていた。

その後、運転手は「まだ着かないのか、遠い、遠い、90元だ、90元だ」と言い続けていたが「もうすぐ着くよ、相場なら40元でしょ、2倍だよ、信頼しているよ」などとなだめ続け、ようやくホテルに着いた。
ホテルに着いた瞬間運転手は別の客を見つけていたので、この野郎とも思ったが、とりあえず明日7時に長城行きの電車の乗り場で待ち合わせをしてから、いったん別れる。

彼らのホテルから自分の家までの足も探さないといけないのをかなり心配していたが、10分程度探して意外と早く見つかった。
相場30元程度の距離を60元で折り合いをつけ、安心して帰宅路へ。途中運転手は同じ方面向きの客(乗合にする)を探して何度も止まったが、結局見つからず自分ひとりで五道口まで帰り着いた。
家に着いたのは1時くらい。すぐにシャワーを浴びて明日に備えて寝た。

それにしても、北京の道の排水はひどすぎる。道路の真ん中に池のようになっている場所が何個もあった。
地下鉄が止まったなら、他の輸送機関を動かせとも思うのだが、その辺の融通を図るシステムにはなっていないのだろうか。
このようなサービスレベルで生きているのだから、中国の人民はたくましすぎる。