2日目 〜携帯入手〜

今日はとにかく日本に連絡をとらないといけない。6時過ぎに目が覚めたが、その後も惰眠をむさぼり、準備をして部屋を出たのは8時半頃。下に貼っていた授業のカリキュラムを見ると、こちらでは8時から授業開始しているらしい。寮の窓からの風景。外見はなかなかおしゃれ。
とりあえず寮のフロントにもう一度「インターネットをしたい」と言うと、「你的房间号码是什么(お前の部屋番号はどこだ)」と聞いてきたので伝えると、何か色々と従業員同士で言ったあと、「○×▽・・・。你今天做学生证,明天可以使用网。去吧!去吧!(今日学生証を作れば、明日から使える。行け!行け!)」とまくしたてて言われた。こちらでは行きなよ程度の言い方なのかもしれないが、その前に言っていたことが何もわからなかったので、気落ちしてその場を離れてしまった。どこで作るんだと聞かないとどうしようもないのに。まぁでもいずれにせよ今日使えないのがわかったので、これはとにかく携帯を契約しなければと思い、街に行くことにした。

しかし、杭州のガイドブックには西湖のことは書いていてもショッピングについては龍井茶のことくらいしか書いていない。どこに携帯が売っているのかわからないが、とりあえず繁華街の向に歩いて行った。ガイドブックには地図も貧相なものしかついていないので、通りの名前も載っていない。やっぱり上海か北京にしておけばよかった。北京なら王府井の入り口くらいに確か携帯売っていたし。有名そうな体育館(黄龍体育館)などを横切った後、コンビニみたいなところに入り、杭州市の地図が売っていたので早速購入。これで歩きながらやけに重たい地球の歩き方を出す必要はないし、少なくとも場所の把握はできるようになった。
そういえば、杭州では公衆電話をよくみかける。これで国際電話ができないかと思ったが、カードがないとできないらしい。カードはどこで売っているのか。。。また、杭州ではレンタサイクルが発達しているようだ。自転車道路は大きな道には必ずあるし、レンタサイクル置き場も、今日一日歩いているだけで20か所ほど見かけた。自転車道路の信号待ちの場所には日光除けなのか雨除けなのか、テントも張ってある。これはいい取組だ。
その後、結構な距離をあるいたが、百貨店のようなものは何もなく、インターネットバーは見つけたので、最悪の場合ここで連絡をしようと思い、有名そうな通りの武林路というところでケンタッキーに入った。ようやく11時前に初の食事。ここでは套餐(セットメニュー)かどうかを聞かれ、あやうく単品注文になりそうなところ、セットで食べることができた。個々のメニューの注文は読み方(特に声調)が出てこないのでなかなか難しい。こういうチェーン店はセットメニューがあるので注文も楽だ。なんてサバイバル能力のないのだろうか。。。
さて、ケンタッキーを出てからさらに南に進むと、ようやく大きめの店が見えてきた。そうこうしているうちに、NOKIAの文字が。NOKIAなら携帯を売っているに決まっている。とりあえずそこまで行ってみると果たして携帯販売店だった。片言の中国語で、「とにかくインターネットと電話を使いたい。ここで契約ができるか。」と聞いてみた。中国は日本と違って、携帯メーカーと通信会社は全く独立して販売しているので、どこのメーカーにもどこの通信会社のSIMカードも入れられるということは知っていた。逆に言えば、通信会社と契約できなければ携帯の本体だけを買ってもしょうがいない。「・・・你买电话号码・・・」と言っていたのでとにかくこちらの言うことを伝えようと、繰り返し「我先选择哪种的手机,然后我买电话号码,然后我就可以使用因特网和打电话吗?(まず携帯を選び、その後電話番号を買えば、インターネットと電話は使えるようになるか?)」と聞いてみた。文法的にはいろいろ間違っているかもしれないが、大丈夫だと言うので、とりあえず2400元もするものを買った。高すぎる。が、とにかく日本と連絡をしたかったので、後々の批判は甘んじて受けることにして、とにかく買った。携帯電話店のおばちゃんは、こちらが聞き取れないことは、メモ帳に漢字で書いてくれた。こうやってこちらの言うことを聞いてくれる人とは会話も何とかできる。携帯電話の契約プランは、国内長距離は1分1毛(0.1元)つまり、60分話しても6元ということ。インターネットは30MBまでタダで、その後は10kbごとに0.01元。1元で1Mbということだから、インターネットの方では画像や動画なんかをダウンロードしないよう気を付けないと。あと、北京に行ったら北京の電話番号を買った方がいいと言われた。まぁ電話番号自体は100元だったので、それは仕方ない。高い買い物だったが、とにかく携帯入手。

早く使いたいので、喫茶店のようなところを探したが、なかなかない。いまだに中国の一般食堂に入る気になれず、結局見つけたプロントへ。ここの店員の姉ちゃんはとても感じがよかった。こちらが聞き取れずにいても、かまわず笑顔で何か言っている。よくわからんけど、自分はこれが欲しいと言うと、わかったわかったと言ってくれる。サンドイッチを作ってた兄ちゃんも、こちらがわからないと思ったのだろう、選択できるケチャップや野菜の名前を指で指して、こちらが決めるまで戻して同じのを指してくれたりもした。これくらいのサービスレベルだと、言葉が通じなくても嫌な思いをすることがない。レジの姉ちゃんは帰りがけも「拜拜(バイバイ)」と手を振ってくれた。なんて親しみやすい店員。ちなみに、この姉ちゃんと、昨日乗ったタクシーの運転手から「你是韩国人?」と聞かれた。こんなに語学(会話)ができないのは普通日本人なのだが、先に韓国人かと聞かれるということは、この街では日本人よりも韓国人の方が多いからなのだろうか。北京や上海ではきっと日本人かと聞かれるだろう。
さて、プロントで携帯をいじって、とにかくメールをうってみた。Gmailにもつながったので、Gmailからも送ってみた。向こうはきっと中国語が受信できないだろうから、すべて日本語をローマ字で書くしかないが、仕方がない。

その後、西湖のほとりに出て、観光。岸がちょうど見えるくらいの大きさで、しかも山もあり、中州もあり、確かに憩いの場としては眺めは最高。杭州市の立体地図や木に登ったリスなどを眺めながら、携帯を見てみるとGmailからのみ返信あり。こちらから日本の携帯アドレスには届かないのだろうか。いずれにせよ、連絡がとれてよかった。
西湖を少し歩いてタクシーで帰るつもりだったが、こちらは右側通行なので、西湖の遊歩道のそばの道路は時計回りの方向の車になっており、自分の帰る道とは逆方向。そうこうしているうちにだいぶ歩いて白堤(白居易が作ったとされる堤防)に来たので、断橋を渡り、堤防が見えるところまで来てパシャリ。この橋は「断橋残雪」という言葉があるように冬の名物らしい。白居易の別れを惜しむ逸話の銅像もあった。
その後タクシーを見つけたが、白堤を見に行く前から運転手が外に出てずっと止まっている。なんか怪しいと思ったが、とりあえず聞いてみた。「我可能上车吗?(私は車に乗れるか)」「什么?(はぁ?)」「我想去浙大。可以吗?(浙江大学に行きたいんだけど)」「浙大?浙大就是对面。(石膏大学。すぐそこだよ。)」地図を見ていても、すぐそこなことあるか!と思ったが、まぁ最初から何か変だったので早々に諦めた。
さて、その後も西湖の周りを歩いていたが、結構戦争の記念碑みたいなのが立っている。白居易の像もあったが、この国はやはり戦争の記憶を残すのが共産党の正当性のためには大事なのだろうか。それにしても、なかなかタクシーが見つからない。途中売店でスプライトを買ったが、「三块(3元の口語表現)」と聞こえたので、そう聞き返すと、笑われた。昨日大学内の売店でも2.5元していたので、観光地でジュースが3元というのも安い気がしないでもないが、もう少し態度というものがあるだろう。まぁ、でも気持ちはわからなくもない。こういう物価の相場感という点でも常識をつけていかないといけない。
その後も歩き続けたが空きタクシーは見つからない。そうこうしているうちに蘇堤(蘇東坡が作ったとされる堤防)や岳廟(岳飛を祀っているところ)の近くまで来た。観光地として外せないが、今日は歩きすぎていたし、熱中症になりそうだったので、見学はやめることにした。
蘇堤を過ぎて、曙光路というところに出たところで、タクシー待ちをしている人間を見つけた。自分もほとほと疲れていたが、ここまで来ると、浙大路(浙江大学前の大通り)までは後少しだし、浙江路には何があるか見ておきたかったので、歩くことにした。浙江路には中国農業銀行や、中国移動(今日契約した携帯通信会社)の店舗もあった。これがあることが分かっただけでも心強い。中国の携帯電話はプリペイド式だが、残高がなくなった時には、きっとここまで来れば補充してくれるだろう。
その後浙江大学の正門まで来て、昨日のタクシーはやはりここで下したのだとわかった。「求是路」だと言ったのはやはり通じてなかった。まぁでもいいか。昨日最初の警備員が言った大通りというのは地図を見るとまだまだ先の道のようだったので、今日は昨日と違う行き方をした。途中毛沢東像があったり、立派なサッカー場兼陸上競技場があったりした。そういえば昨日も今日もバスケットボールを持って歩いている学生が多い。流行っているのだろうか。街中では何故かできなかったのだが、大学構内にも銀行のATMがあったので、VISAでクレジットによる引き出しをしてみた。すると1000元出てきたので、お金を引き出せることもわかり、一安心。携帯が結構高かったので、学費がギリギリだった。
とにかく部屋に戻り、倒れこむ。昨日に引き続きこれは痩せた。しかし、糖分が必要だからと言って、砂糖が入ったものばかり飲んでいては、糖尿病になりそうだ。今日だけで、ペットボトル5本、ケンタッキー、プロントのジュース合計2杯も飲んだ。日本ではお茶ばかりだったが、こちらのお茶にはもれなく砂糖が入っている。途中のコンビニで売っていたサントリーのウーロン茶には無糖というものがあったが他では見つからなかった。部屋にはポットとお茶っ葉が置いてあるが、まだ飲む気にはならない。
明日は、学生証発行、インターネット、バスの乗り方、洗濯の仕方、食堂での食事あたりに挑戦してみよう。当初、明日からの3日間で南京に旅行に行けないかと考えていたが、とんでもない。今月中の紹興、来週の大連もあやしいものだ。
語学勉強も猛烈にしないと、これは本当に厳しい。