西安観光、交通事情

ホテルは繁華街のビジネスホテル。4泊で10000円程度だが、インターネットの速度はそこそこ。バスタブもないし、冷蔵庫もないし、無駄にかかっている絵は傾いているし、クローゼットには斜めにしないと服が入らないが、安いから仕方がない。場所はかなりよくて、東大街と和平路という大きな通りの交差点。そのため、各観光地に行くバス停も近い。

今日行ってきたのは、鐘楼・鼓楼、城壁、大雁塔、歴史博物館。
鐘楼、鼓楼は街の中心部にある鐘や太鼓で住民に時刻などの連絡をしていた建築物で、明代のもの。写真は鐘楼、鐘楼の上から見た西安の直線道路と、世界一大きいとかいう太鼓。
  
城壁も今現存しているのは明代のものだそうだ。城壁の内部は高さ制限がかけられているのか、古い街並みが残されており、外部は高層ビルが立っていた。パノラマ写真では左側が城壁内部で右側が城壁外部。古い町並みはこんな感じ。
 
大雁塔は、三蔵法師として有名な玄奘がインドから持ち帰った経典を保存するために建てられた建築物。阿倍仲麻呂や空海もここに来たに違いない。大雁塔と玄奘、大雁塔内部。
 
歴史博物館では陝西省の歴史について展示しており、入るのは無料だが、整理券をもらうために1時間ほど待つことになった。さすが東アジアの文明の発祥の地だけあって、古代の展示物は見ごたえがある。100万年前の人骨や紀元前9世紀から8世紀の食事用の鼎(既に漢字の原型らしき文字が記載されている)など、バラエティに富んでおり、秦時代の展示として兵馬俑の一部も飾ってあった。漢代に入ると金属類が増えてきて、金貨などもあった。しかし、宋以降の展示物は仏教関連のものを除いて一気に数が減り、西安が皇帝権力とともに存在していた街だということがわかる。秦の始皇帝も、漢の劉邦も、唐の玄宗皇帝もここを拠点に中国を支配していたのが、北方民族との抗争が激しくなって以降、舞台は北京に移るのだ。
   

観光地の紹介はこのくらいにして、今日は中国の市内交通事情について。
・バス
西安でも杭州と同じく、バスは空調付きのもの(路線名にKという文字がついている)と、そうでないものがある。料金は1元〜2元で、空調付きのものが2元。今日乗った空調付バスではバス停の英語放送もあった。こちらのバスの運転手というのは大抵自己中心的(一般ドライバーと同じ)で、自家用車や他のバスでも、バス停の近くでもたもたしているとクラクションの犠牲となる。運転もかなり荒い。しかしながら、なんと言っても安いので、こちらはタクシーも止まってくれなかったり相乗りになったり道を知らなかったり、それほど気分のいいものではないので、移動前にバスの路線も押さえておくといい。バスの路線は百度なんかで地図検索をすればすぐに出てくる。
・交通ルール
中国は交通ルールが守られていないとよく言われるが、全くもってその通り。というより、車優先(車は歩行者のことは見ていないという意識)で考えないと轢かれてしまう。市内の通りでは赤信号は基本的には守られているが、滑り込みや見切り発車はあるし、右折車は信号を守らないこともよくある。中国は右側通行なので、右折車は対向車とぶつかる心配がないためであるが、右折した先の横断歩道を渡っている人にとってはたまらない。
・道の横断
道を渡る時は渡りきるまで左右を確認しまくらないといけない。まだ慣れないという人によく言っているのだが、道を渡るときには車の運転手を睨みつけて、目が合えば大抵大丈夫である。車線はあってもないようなものなので、自分の一歩先を駆け抜けるか、又は減速をしてくれる。また、横断歩道があって歩行者用の信号がある場所は限られているので、歩行者はどんな大通りでも平気で渡るし、そうせざるを得ない。それがまた車の混雑をもたらす。
なお、店などの駐車場から道路に出て行く車も、歩行者が近づいてきていても関係なく出てこようとするので、歩道を歩いていても動いている車が見えたら車優先で動かないといけない。
・歩道橋
こういう交通事情だからか歩道橋や地下通路もよくあるが、これでは将来高齢社会になった時に極めて不便な街になってしまう。(日本もヨーロッパと比べると車社会なので歩道橋が多いが、中国も車の急激な普及とともに歩道橋が増えている。)
これも一つの研究テーマになるかもしれない。
・2輪車道路
杭州でもあったが、西安でも二輪車道路がある。西安はレンタサイクルはないのか、自転車は少ないが、二輪車と車を分けるのは交通事故対策として有効だ。日本でも自転車道路を作る取組はされているが、如何せん道が狭いので苦労しているところ。

こないだの鉄道事故にせよ、ソフト面をなんとかしないと将来はないと感じることはまだいくつかあるので、それはまた後日。