城中村を改善する問題

城中村は、以前述べたような特徴を持つ。

そのため、それを解決しようとすると、集団的所有権を持つ村落委員会がその気にならなければならない。しかも地区として一部国有化されていたりすると、複雑な権利関係をどう処理するかが問題となる。

日本に住宅地区改良事業と土地区画整理事業という事業があるが、地区改良は基本的にスクラップアンドビルド型の事業だ。従前住んでいた住民のための家を必ず作る必要があり、柔軟性は乏しい。一方土地区画整理事業は、複雑な権利関係を権利変換によって調整する制度だ。権利変換の考え方についての技術性は高いが柔軟性は高い。

中国の城中村は国有土地、集団所有土地が混在し、市政府、村落委員会、不動産会社、もともとの農村住民、新たに流入してきた借家人などがいて、権利関係が混乱している。そもそもの土地の所有2元制を見直す必要もあるだろうが、土地区画整理事業の方が適用可能性は高いように感じる。

が、きっと今の中国ではスクラップビルドをしがちで、調整をすることは少ないのだろうと思う。