中日都市化政策国際検討会

今日は午前中授業に行ってから、午後は大学の近くのホテルで行われていた、中日都市化政策国際検討会というのに参加してきた。清華大学と野村総研が作っている研究所が主催しているのだが、そこの副所長とこないだのワイン会で知り合いになって、その方から誘われたためだ。
国交省も噛んでいるかと思っていたが、自治体国際化協会(総務省の外郭団体)やNEDO、日立システムなどが参加していた。大使館からは環境省系の方が参加していた。中国側は清華大学の教授が主な参加者。
テーマは都市化。完全に自分の研究分野とかぶっている。自治体国際化協会の北京所長のプレゼンは、日本の全総計画の歴史と、東京圏の今後の目指すべき方向について。清華大学の公共管理学院に留学している人も作成に絡んでおり、自分がその人に渡した資料も一部取り入れられていた。中国は日本の全総を盛んに研究しているので、自分も一度「それぞれの全総の目的、背景となった社会状況、社会状況を踏まえたこれまでの立法、全総期間後の評価」についてまとめておこうと思う。こちらに来て、日本の制度の知識が生半可なことを強く思い知らされる。こういう基礎知識を体系的にまとめることが大学の研究にもつながってくるので、こういう時間が取れるのはありがたい。
中国側のプレゼンでは、特に住宅問題が非常に面白かった。公有物だった住宅を商品化したこと、その後も一時、共同購入形式が続いたが、最近ようやく個人購入も増えてきたこと、しかし、投機筋に買われている物件も多く、不動産価格の高騰が著しいこと。また、低所得者向けの公営住宅はこちらでは保障性住宅と言っているが、その立地が更なる所得格差を生み出していること、本当に低所得者が住んでいるわけではなく、実際には中所得者が住んでおり、BMWに乗っておるような人もいるとのこと。公営住宅はもっと必要なのに、建築のための土地が必要であるため、地方政府は乗り気でないこと(おそらくもっと儲かる不動産開発をしたいのだろう)。特に公営住宅の問題は日本でも多かれ少なかれ問題になっていることだ。これらの比較研究をするだけでも十分単位が取れる内容だ。
今日の会議は実に面白かった。