現代都市計画

新建築の2011年10月号で、中国の都市化とからめて、都市計画の停滞について触れられていた。簡単に言うとこうだ。

中国では今急激に都市が作られているが、作られているのは欧米で1960年代に作られていた都市と同じだ。
すなわち、社会インフラを整備して人口を都市に集め、経済の効率化を図ろうとするもの。

筆者は、流動人口の数から、中国の都市化は日本の都市化のスピードの20倍だと記している。
そのため、都市化に伴って起きる問題も日本の20倍の規模で起こると推測している。たとえば、全く1960年代の都市化と同じことをしたのであれば、日本で生じた公害問題のようなことが20倍の規模で起きると警鐘している。

筆者は、今号の記事の中で、たびたびジェイコブスの著作について触れられている。彼女の代表作、アメリカ大都市の死と生などだ。この本は、都市計画について批判をしていると捉えられているが、それは決して都市計画を放棄するものではないと筆者は指摘する。

ジェイコブスの考え方は知っているが、この本はいまだ読んでいない。
都市計画について理解をするためには、まだまだ果てしなく時間がかかりそうだ。

自分の専門性は都市計画にすると決めて、大学院の専攻を公共政策ではなく都市計画にした。しかし、勉強すればするほど、都市計画という学問の広さに圧倒されそうになる。歴史による変遷、地域による違い、制度の幅広さ、それに加えて技術・理論も必要だ。到底2年で勉強しきれるものではない。その状況下で、あと1年半をどう過ごすか。この冬休みによく考えておきたい。