昆明研修2日目

今日は大学都市、新空港、文化人の故居を回った。新空港が郊外にあるので、昨日と比べると数は少ないが、開港前の最後の準備をしている空港に入る機会なんてそうそうないだろうから面白かった。まぁ自分のグループは旧空港の跡地開発なので、新空港はほぼ関係ないのだが。

旧空港は市街に近接しており、アクセスは良いのだが、東アジアとの経済交流が進展していること、旧空港ではこれ以上拡張が難しいこと、都市化の進展と空港の空路規制が矛盾してきていることから、新空港を郊外に作ることになったようだ。

今日の御飯も御馳走。夜は現代風のレストランで、トイレ、テレビ付の個室で雲南名物「過橋米線」(米で作ったタンメンのようなもの)を食べた。


ところで、つけていたテレビで、「雷峰」を見習おうというニュース番組が長いことやっていた。雷鋒というのは、家族も小さいうちに亡くして、自分も22歳という若さで亡くなった人物。共産党の考え方を実直に実行して、人助けや無私の奉公をした人物として、毛沢東等に絶賛されたため、今でも雷鋒を見習って社会奉仕活動をしようとするキャンペーンが行われる。後で調べたら、ちょうど3月5日が雷鋒を学ぶ日として指定されているようであり、だからテレビでも多く放映されていたようだ。
中国は何かにつけて極端な模範像を作り上げる。関羽、岳飛、雷鋒などはいつまで立っても見習うべき人なのだ。毛沢東も、文革の後「功績第一、誤り第二」と評価されたように、今でも尊敬を受けるべき人というのが共通認識だ。

一方で悪役とされる秦檜、呉三桂、汪兆銘等は末代まで嫌われることも前に書いたが、こういうキャンペーンや標語の掲示があちこちで行われているにも関わらず実際には社会というアヤフヤなものには貢献をしようとしないのが中国の国民性。

今日ホテルに向っているときに、一人女性の同級生が携帯を無くして探していたのだが、隣に座っていた女の子が探してあげていた以外は、他の同級生は少し手伝ったり話に乗ってあげたりするものの、携帯をなくした事実を知った大部分の同級生がバスを降りて行った。まぁ確かに全員残って探すのは逆に効率が悪いが、それにしても日本人感覚からすると薄情に感じた。
日本のバスでそういうことが起きたらどうなるだろうか。国民性を変えるというのは極めて難しいことではあるが、せめて自分の周りの友人にはその姿を一度見せてあげたい。日本の悪いところではなく良いところを見ることで、負けん気の強い中国人なら、社会貢献や規則を守る意識が芽生えるのではないだろうか。