コンパクトシティ

家族に会いに行く途中、コンパクトシティの修士論文について構成を作るノートを書いていた。
書いていて色々と疑問は浮かぶ。

根本的な問題意識として、高密度+混合利用+公共交通指向型開発というモデルはあまりにシンプル過ぎて、理想論過ぎるという問題意識はある。

・自動車社会や大型商店の郊外立地を否定するが、自動車や郊外ショッピングセンターを利用することによるメリット(モビリティ、低価格商品の購入など個人レベルでのメリット)をどのようにとらえるべきか。規制するのか、直接的手法(駅前商店や公共交通への補助金投入)で誘導するのか、間接的メリット(社会的効用)の合意形成を図るのか。
・ハワードの田園都市、ペリーの近隣住区、コルビュジェの輝く都市はなぜ成功しなかったのか。ハワードはイギリスの伝統的な分散型都市構造を目指しているので、今の人口減少局面に合わないものの、持続可能な都市という意味でコンパクトシティと根っこの思想は同じである。コルビュジェは自動車社会を指向している点では異なるものの混合利用や高密度開発という意味では同じである。理論的にはそのあたりの比較をしないといけない。
・日本におけるコンパクトシティは人口が減少している地方都市におけるものであり、コンパクトシティのルーツであるヨーロッパもそうだが、アメリカや、まして中国においては、都市の人口増加傾向は強い。また、アジアにおいては都市の人口密度は欧米と比べて比較的高い。このような社会において高密度を図るべきなのか。
・コンパクトシティへの代表的反論、高密度が交通の過密をもたらす、日本の都市計画制度において混合利用を図ると余計にごちゃごちゃした街になる、などに対して、どのように考えるか。
・高密度、混合利用、限られた公共交通への依存というシステムを採るコンパクトシティは災害に強くないのではないか。
・日本でよく取り上げられるコンパクトシティは富山と青森であるが、多摩ニュータウンはコンパクトとは言えないのか。歩車分離形式を採用し、よく練られた都市デザインの結果開発され、後に業務核都市に指定されて業務機能の移転を援助されながら、結局、住居機能以外に集積が図られなかったとしたらその理由は?
・2つの特徴的側面を持つ街、たとえば秋葉原。複数の特徴的側面を持つ街、たとえば六本木などのまちの機能集積はいかにして起こったのか。また新宿や大丸有銀座などの巨大機能集積地との関係は?
・2つの特徴的側面を持つ街、たとえば秋葉原。複数の特徴的側面を持つ街、たとえば六本木などのまちの機能集積はいかにして起こったのか。また新宿や東京などの一大機能集積地との関係は?
・商業立地について、近年ますます便利になる通販はどうとらえるべきか。全国各地で日用品まで通販で買えるようになったが、その場合中心市街地の商店街の役割はどう変化するだろうか。

などなど。