日笠端「都市計画(第3版)」

都市計画 第3版

都市計画 第3版

日笠端の都市計画(第3版)。遅ればせながら日本から取り寄せました。1993年出版の古い本ですが、やはり都市計画の教科書と言われているだけあると感じました。鉄道の沿線に市街地が広がることも道路沿線のスプロールと同列に扱っていたり(p125)、いわゆる「まちづくり」に対しての言及がなかったり、今と違う点も多々あるが、モータリゼーションによるサブセンターの消滅に対していち早く中心地区での高密度開発を指摘していたり(p199)、今につながる考え方も多い。

何より、最近の教科書は1990年代までの都市開発を評価するにあたって、どのような考え方で計画、設計されてきたのか知るためには必須だ。

先学期や今学期、自力で調べた多摩NT、阿佐ヶ谷住宅、同潤会、その他諸々についてもしっかり触れられている。
もちろん詳細な内容はないので、ただ単にこの本だけを読んでも流してしまうだろうが、手元においておいて度々参照する本としてはとても使い勝手がいい。(参考文献の多さも群を抜いている。)
そういう意味で、まさに教科書たる教科書だと思った。