情報検索

中国における情報検索状況はかなり酷い。
まず、最もポピュラーな検索システム「百度」は、検索機能においてGoogleやyahooの制度を遥かに下回っている。たとえば「○○ホテル」と入れても、旅行会社のホームページが最初に出てきて、ホテルそのもののホームページはなかなか出てこない。wikipediaやmap情報が先に出るのはまだ許せるが、2ページも3ページも探してようやく本体のページにたどり着くということが多い。「官方」(訳:公式)という文字を入れると出てくることもあるが、必ずしも引っかかってくるわけではない。

さらに、公式情報の整備率が低すぎる。
日本のホームページも見にくいのはいくらでもあるが、例えば自治体のホームページに行けば、自治体の概要、基本計画、統計情報などはトップページに必ず整備されている。
しかし、中国の場合、まずリンクが不十分だし、統計局や計画局などそれぞれの部局のホームページに行かないと出てこない。さらにそれぞれの部局においても、トップページにあるわけではなく、リンクを何度も辿ったり試してみたりしてようやく見つかることが多い。
最悪なのは統計情報であり、思いついた時にその時点の統計情報を公開するということが多いもんだから、一部の情報、一部の年度、ばらばらの調査時点のものしかわからない。表形式で過去何年分の数値をまとめている地方政府なんて一握りだ。
数字を公表した後ホームページに載せるかどうかは、きっと個人の裁量に委ねられているのだろうし、オリンピックの前は頑張れとかそういう感じなのだろう。というように、ホームページだけで情報を集めるなんてそもそも無理があり、もしかすると公表に関する規則もあるかもしれないが、人治主義の国では規則などは意味をなさないことも多い。

そのため、長期的なデータの収集は一苦労だ。
とりあえず、急ぎ必要なデータの場合、自分は今のところ以下のような対応をしている。
1.検索システムをフル活用する。
2.学術論文、大手新聞などある程度信頼できるものから集める。
3.あきらめる
あきらめるというのは、調査を諦めるのではなく、数値が手に入らないなら、別の観点から攻めてみるということだ。
第2次世界大戦の際、あるロシアの研究家が爆弾の調合方法を調べるために、色々調査したがデータが入手できず、発想を変えて、ドイツに入っていく貨物列車の貨物量を調べて、その比率から調合比を推測したという話があるが、こんな感じでやるしかない。

政府の役人は白酒ばかり飲んでないで、整備するものはしっかり整備してもらいたい。のだが、人治主義が染みついた社会ではなかなか難しいのだろう。