中国の住宅政策

今学期、日中の公共住宅比較をするのだが、日本の公共住宅に対する中国の関心は、以下のような点。
そもそもの制度はよく研究されている(公営、公団、公庫の3大政策+公社等)。

1.法体系、実施機関の総合性
2.特殊な金融支援制度(公社や民間事業者も支援機構から借りられる)
3.5か年計画による目標設定(政策対象の歴史的変化、供給する住宅の質の変化(低所得層→中間層→高齢化→エコ))
4.産業政策との整合性(住宅設備の標準化→住宅関連産業の発展)
5.入居退出の際の公平性確保(高額所得者等に対する処置、税額把握)
6.行政によるインフラ整備(不良住宅化の防止)
7.建て替えの際の住民参加方式
など。
こちらでは、公共住宅のことは保障性住宅と言うが、地方融資プラットフォームという基金なども使ってこれに投資しようとしている。
都市部に流入する農民工という低所得者層への住宅対策という面もあるが、不動産取引が自由化されてから都市部の不動産が投機対象となってしまっており、不動産価格の高騰を間接的に抑える手段としても活用したいようだ。色々な問題がかみ合うところなので面白いテーマだと思う。

これを来週ある程度まとめておかないといけないのだが、設計や来週締切の果てしなく重い地域計画の課題(15000字報告)があるので、住宅の方にかけられる時間は、明日の授業中を含めて、5〜6時間くらいだろう。

今週の設計の授業は、昨日また郊外に行って政府の職員と質問をしあった後、今日発表だった。自分たちの班は真面目な上にそこそこ頭のいい奴が揃っているので全体的な方向について、担当教授からダメ出しをされてはいない。(データの裏付け、優位性、選定事例の比較可能性、土地利用用途イメージ、理論的裏付けなど、要求は果てしないが。)

というわけで、今週も無事乗り切ったが、来週からはいよいよ空間計画(都市発展軸と実際の土地利用、交通、産業立地などとの組み合わせ)に入る。今日2時〜6時まで発表会をやってから、明日昼から班のメンバーで打ち合わせだ。
その間に公共住宅と、地域計画をやりつつ、明日の班のメンバーとの打ち合わせ前に、自分の考える今週の研究内容について頭を練っておかないと。というわけで、今日の日記はこの辺で。